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目には青葉 山ホトトギス 初鰹

「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」とは、江戸時代の俳人、山口素堂が詠んだ有名な初夏の句である。春から夏にかけて、江戸時代の人々が好んだものを並べただけで、爽やかな初夏の季節感を、目と耳と舌で感じられる名作だ。この鰹は春を迎える頃に暖かい黒潮に乗って、九州南部から三陸海岸沖まで北上する。このため鰹漁のピークは九州沖で3月から4月、本州沖で4月から6月、三陸沖では7月から9月となるそうだ。今まさに旬を迎えた鰹について、千葉日報が詳しく報じている。

鰹は初夏の風物です。黒潮に乗って南方から回遊する鰹の群れは2月までには薩南に現れます。土佐を経て紀州沖にかかる間は脂肪が乗らないので、鰹節に適しています。群れの移動地によって薩摩節、土佐節、紀州節、駿河節などの鰹節の名産地ができます。遠州灘を越え伊豆半島沖を経るころから脂肪が加わって、初鰹の旬が始まります。相模灘に入って魚味満点となり、目に青葉、山にホトトギスの鳴く5月初旬から中旬が最も江戸っ子があこがれる時期になるようです。伊豆沖から東京湾沖の鰹が良いといわれるのは、昔からの火山地帯で、海底には複雑な断層があり、黒潮の流域が陸岸近くに接近してくるために、エサとなる魚群が来遊してくるから鰹も味が乗るそうです。東京湾を過ぎて九十九里に回ると、味は良いが鰹節用としては劣るようです。さらに北上するに従い、脂肪はどんどん加わりますが肉はやせてくるようです。食品成分表では、かつおの成分値として「春獲り(通称初鰹)」と「秋獲り(通称戻り鰹)」との二つの記載があります。大きな違いは脂肪で、初鰹は100グラム当たり0・5グラム、戻り鰹は100グラム当たり6・2グラムです。ビタミンDも戻り鰹の方が多く、ビタミンEでは逆に初鰹の方が多いといった違いがみられます。

引用元 千葉日報:http://www.chibanippo.co.jp/feature/shokuji/323733

鰹の水揚げ高日本一は、どの都道府県?

初鰹と聞いて思い出すのは、高知の鰹のタタキではないだろうか?当然、高知県が鰹の水揚げ高日本一であると思ったが、そうではなかった。農水省が発表した鰹の水揚げ高ベスト10は、下記の通り。1位は焼津鰹節が有名な静岡県、意外にも2位にランクインした三重県は、鰹の手こね寿司などの郷土料理がある。第3位の東京は上記の千葉日報でも述べられているように、火山地帯の海底は鰹の餌となる小魚が住みやすい環境であることによるところも大きいだろう。ようやく4位に高知県が入るものの、一本釣りでの水揚げ高日本一は、7位の宮崎県なのだそうだ。

1位 静岡県 83,600 t
2位 三重県 30,200 t
3位 東京都 28,700 t
4位 高知県 21,600 t
5位 宮城県 17,800 t
6位 鹿児島県 13,900 t
7位 宮崎県 13,800 t
8位 新潟県 11,100 t
9位 長崎県 10,500 t
10位 鳥取県 8,300 t
出典:農水省(2014年鰹の水揚げ高ランキング)

初夏の縁起物と言われる初鰹は、脂が少なく赤味の多い、さっぱりとした味わいが特徴。秋の戻り鰹は、春の鰹よりも脂が10倍以上乗っていて、身もピンク色に近く、トロのように濃厚でこってりとした味になると言う。春と秋でガラリと変わる、鰹の味。まずは初鰹から味わってみたい。

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