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トロにも匹敵する脂のり!島根県のブランド魚、どんちっちアジ誕生秘話

漁業大国である日本には、全国各地にたくさんのブランド魚が存在する。例えば、青森県の大間マグロや兵庫県の明石鯛、大分県の関サバや城下ガレイなどは、高級ブランド魚として、市場で高値で取り引きされる人気を誇る。そのうちの一つが、島根県浜田市の「どんちっちアジ」だ。通常のブランド魚には、産地の名前が付けられていることが多いのだが、「どんちっち」という耳慣れない名前は珍しい。浜田市ホームページによると、これは神楽の囃子を意味する幼児言葉なのだそうで、浜田市のブランド魚名として、一般公募から選ばれたそうだ。浜田市水産物ブランド化戦略会議は、どんちっちアジ、どんちっちノドグロ、どんちっちカレイの3つを「どんちっち三魚」として掲げ、2004年から全国にアピールしている。ダイヤモンドonlineによると、どんちっち三魚誕生のキッカケとなったのは、漁業を基幹産業としていた浜田市を襲った、漁獲高の激減であったそうだ。

「どんちっちアジ」のふるさとは、島根県西部に位置する浜田市。山陰有数の漁獲高を誇り、国が重要漁港として指定する特定第3種漁港・浜田漁港を有する。暖かい対馬海流と島根冷水域といわれる深海の冷たく栄養に富んだ海水が混じりあい、魚のエサとなるプランクトンが多く発生する島根県西部沖で育まれた、豊かな海の幸が水揚げされている。
ブランドアジ誕生のきっかけは、そんな浜田における未曾有のピンチ。予期せぬ「漁獲量の激減」だった。平成2年の約19万8000トンをピークに、大量に漁獲されていたイワシがパタリと獲れなくなったことからはじまって、平成13年には約3万4000トンまで激減。基幹産業が水産の町・浜田に大打撃を与えた。
引用元 ダイヤモンドonline: http://diamond.jp/articles/-/73592

浜田市の漁獲高は、2001年にはピーク時の約1/6にまで減少。危機感を感じた浜田市とはまだ漁協組合などが、その打開策として浜田市水産物ブランド化戦略会議を設立、「どんちっち三魚」のブランド化を進めて来たそうだ。

アジの大トロ!どんちっちアジの魅力とは?

島根県西側で獲れるアジは、通常3%程度の脂の含有率が10%を超え、「アジの大トロ」と称されるほど脂の乗りが良く人気があった。しかし、それまでは「山陰産」「島根県産」のアジとして流通していただけ。ここにブランド化の勝機を見いだした浜田市は、全国初となる近赤外線測定器を使った資質含有率の測定を開始。資質含有率10%以上、まき網漁業で浜田漁港に水揚げ、4月から9月限定などを条件として、どんちっちアジというブランド魚を生み出したのだ。
ようやく誕生した「どんちっちアジ」ではあるが、当初は仲買人たちから「そんなことしても高く売れるはずがない」との反発に合ってしまう。産地名でもなければ、他県の人には意味不明な「どんちっち」という名前もネックとなった。また、浜田漁港では脂の乗ったアジであっても、築地市場にたどり着くまでに、品質が劣化してしまっていたのも事実。浜田市水産物ブランド化戦略会議は、仲買人一人一人にお願い行脚を繰り返して「どんちっちアジ」として出荷してくれる卸業者を増やして行ったそうだ。そしてもう1つの課題、鮮度を保って全国へ出荷する方法は…ダイヤモンドonlineの後編(7/6公開予定)をお楽しみに。

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