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福島の漁師映画公開に合わせて、1日限定の食堂がオープン
2011年3月の東北大震災から6年半近い時が流れた今も、被災地の農作物や水産物は、風評被害により売れ行きは芳しくない。先日もNHKの番組で、福島で続く風評被害を取り上げていた。今年3月に公開された映画『新地町の漁師たち』は、被災後に操業自粛に追い込まれた福島・新地町の漁師たちを3年半に渡り追いかけたドキュメンタリー映画。この映画が7月1日から福島県で公開された初日に、舞台となった新知町の女性たちによる1日限定の食堂がオープンした。その模様を毎日新聞が伝えている。
写真は毎日新聞ホームページより
福島市三河南町の複合施設「コラッセふくしま」で1日、新地町の女性らが1日限定の食堂を開いた。店の名前は「浜の母ちゃん食堂」。ホッキガイやシラウオなどの海の幸を使った定食に、訪れた人は舌鼓を打った。福島第1原発事故後の海の男たちを追ったドキュメンタリー映画「新地町の漁師たち」の公開が同日から福島市で始まったことを受け、相馬双葉漁協新地支所の女性部が企画。新地で水揚げされたホッキガイをしょうゆとみりんで味付けした炊き込みご飯が大好評で、限定150食は瞬く間に完売した。店を切り盛りした渡辺京子部長(62)は「まず県内の人に新地のおいしい海の幸を知ってもらい、風評に負けないようにしたい」。同市の長尾洋子さん(79)は「ホッキガイが大好きで立ち寄った。味がしみてておいしい」と笑みがこぼれた。
毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20170702/k00/00e/040/179000c
震災から6年…いまだに続く風評被害
今回取り上げた映画『新地町の漁師たち』は、原発汚染によって漁業操業が絶望的になった福島の海と漁師たちを追った映画だ。2016年11月の時点で福島の海は、モニタリング結果によって約100種の魚介類が安全と判断されている。にも関わらず、漁師たちは風評被害の影響で、いまだに本格操業ができていないという。河北新報とマクロミルが今年の3月に発表した合同アンケート結果(下図)によると、首都圏居住者が「福島県産の農産物を購入する」と答えた割合は41%、「福島県産の水産物を購入する」の割合は30.1%にとどまっている。福島県産の農林水産物は細やかな検査が行われており、放射性物質はほとんど検出されていないのにだ。震災による原発事故から6年が過ぎた今でも、人々は福島県産を敬遠している現実が、まだそこにある。
図は河北新報ホームページより