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写真は五島列島での養殖マグロ出荷の様子。マイナビニュース ホームページより
長崎の離島から鮮魚を直送!ヤマトの地方創生
先日27日に福岡市で会見した安倍首相は、28兆円を超える規模の経済対策計画の構想を発表した。ここで挙げられた事業は、リニア新幹線開通の8年前倒しや外国人観光客の誘致、農水産物の対外輸出インフラ増強が軸となっている。このうち、農水産物の対外輸出インフラに欠かせないのが、運送会社の存在だ。2015年度、業界第2位の売上高を誇るヤマト運輸は、「プロジェクトG」を掲げて、地方の特産物を首都圏だけでなく、海外市場へ迅速に配達するネットワークの構築に力を入れている。ここで紹介したいのは、長崎県の離島から希少な海産物をお届けしている事例だ。
長崎県といえば、ちゃんぽんや、カステラなどといった名産品が有名。最近は軍艦島などの観光地も有名になった。古来から半島に最も近い位置にある長崎県は、文化的な交流が盛んな先進地域だった。しかし別の顔も持つ。約600、全国で最も多くの島を抱える長崎県。それゆえ農水産資源に恵まれている一方で、輸送時間やコストの問題は深刻だ。そんな問題解決にヤマトグループが乗り出した。
「新鮮な食材をスピーディに届けたい」「輸送コストをおさえたい」……。そんな生産者と消費者の理想を叶えるのが、長崎県とヤマトが連携した、その名も“ながさき「しまねこ」プロジェクト”だ。ヤマトの地方創生事業「プロジェクトG」とは、政府、地方自治体を意味する「government」の頭文字のGから名づけられたもの。同社が保有するLT(物流)、IT(情報)、FT(決済)の機能を、行政・地域住民・地域に根ざした同業他社に自由に使ってもらえる「プラットフォーム」として開放。協業という形で地域活性化のために新しいインフラを行政と一緒に作っていくことを目指すプロジェクトだ。
(中略)ヤマトが長崎県と提携して始めたのが、生産者に代わって営業、販売、集荷、輸送システムを担い、離島で収穫された食材をいち早く都内に届けるという、 “ながさき「しまねこ」プロジェクト”なのだ。プロジェクト立ち上げの経緯について、長崎県地域づくり推進課参事の福田三千年さんはこう振り返る。「島の良いものをなかなか知ってもらえないというもどかしさに加え、漁業の後継者不足、人口減少という悪循環もあり、なんとか課題を克服したかった」。関東は今まで翌々日の配達エリアだったが、プロジェクトによって、収穫された離島の旬の食材を翌日午前中までに届けることができるようになった。これは同社の陸海空の輸送ネットワークをシームレスに組み合わせた結果だという。そして同プロジェクトは、ECサイトも開設。カキやパプリカなど約150の産品を注文することができる。「やはり刺し盛にできるような鮮魚セットが人気ですね。今後の商品展開は、お店側とコミュニケーションを取りながら考えていきたい」と福田さん。もともと離島の産品は生産量に限りがあるため、スーパーや百貨店などに大量に卸すことはできなかった。だがこのプロジェクトでは、飲食店をはじめ店舗単位での取引が可能。「大量出荷はできないものの、“稀少な食材”というところにブランド価値を見いだしてくださる方も増えています。今は店舗との取引がメインですが、ゆくゆくは都内の長崎県のアンテナショップに卸したいですね。長崎といえばちゃんぽん、皿うどん、カステラですが、鮮魚はまだ売られていません。島の知られざる“宝”をもっと発信していければ」(福田さん)。
引用元 マイナビニュース:http://news.mynavi.jp/articles/2016/07/29/yamato/
大人気!地方自治体のアンテナショップ人気ランキング
ヤマトの地方創生事業「プロジェクトG」によって誕生した、ながさきしまねこプロジェクト。長崎の豊富な水産物を水揚げ翌日の午前中までに首都圏に届けることができるこのシステムを利用して、長崎県のアンテナショップ、日本橋長崎館で鮮魚を販売する日も近いだろう。そこで今回は、東京で人気の都道府県アンテナショップの人気ランキングを調べてみた。
レッツエンジョイ東京 アンテナショップ人気ランキング
1位 北海道どさんこプラザ(北海道) 212人
2位 銀座わしたショップ(沖縄県) 72人
3位 新宿みやざき館KONNE(宮崎県)47人
4位 宮城ふるさとプラザ(宮城県) 39人
5位 表参道・新潟館 ネスパス(新潟県)33人
6位 いわて銀河プラザ(岩手県) 31人
7位 かごしま遊楽館(鹿児島県) 19人
7位 むらからまちから館(全国) 19人
9位 おいしい山形プラザ(山形県) 18人
10位 茨城マルシェ(茨城県) 17人
*2014年3月ぐるなび会員を対象にアンケート調査
*有効回答者数:1363名
アンテナショップ人気ナンバーワンに輝いた北海道どさんこプラザは、東京では有楽町と池袋にあるほか、埼玉や相模原、名古屋、仙台にも店舗を構える人気店。楽天には北海道どさんこプラザWEBを構え、オンラインショッピングにも対応している。このオンラインショップで注目したいのが、地域別インデックスがあること。石狩、日高、宗谷、オホーツクなど、北海道の14地域別から特産品を選べるのだ。例えばオホーツクからは、知床産鮭児の半身(冷凍)や流氷水を仕込み水に使った発泡酒、流氷ドラフトなど、地域性あるふれる商品が購入できる。この夏休み、あなたの気になる都道府県のアンテナショップ巡りを楽しんでみては?
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