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寿司店に女性寿司職人が少ない理由
日本が世界に誇る和食文化でも、寿司の人気はダントツである。オバマ大統領が来日した際に訪れた、銀座の名店「すきやばし次郎」。その店主、小野二郎さんは寿司店で初めてミシュランの三ツ星を獲得し、その生き様がアメリカでドキュメンタリー映画「次郎は鮨の夢を見る」となって紹介されるほど。彼のような世界的な寿司職人だけでなく、街の寿司店においても、日本人女性の寿司職人は目にしない。それはなぜか?その理由について、TABI LABOがリサーチしている。
世界的に有名な寿司職人・小野二郎氏は、素材に触れる手を守るために、365日間手袋をつけることで知られています。東京・銀座の鮨店「すきやばし次郎」の店主で、2014年には店にオバマ大統領が訪れ話題になりました。どうしたらうまい寿司を握れるのか?を今でも追求し続けている彼らの言葉を、「The Guardian」が伝えています。2011年にアメリカで公開された映画『Jiro Dreams of Sushi』は、彼の仕事を追ったドキュメンタリー作品。そこでは、女性が寿司職人になることに関してこんな考えがあると言われていたそうです。
体調・体温・味覚の変化が男性に比べ出やすい
化粧が感覚器官に影響するこれには賛否両論の声があるようですが、職人ならではの味に対するこだわりが現れているのかもしれません。
引用元 TABI LABO:http://tabi-labo.com/229195/sushi/
寿司職人として活躍する、日本人女性の現状
世界の巨匠、小野二郎さんが挙げた女性の身体的な特徴に加えて、女性の体には生理があるため、その影響を味覚が受けるという指摘もある。しかし、それだけが理由とは思えない。「シャリ炊き3年、あわせ5年、にぎり一生」という言葉で表される寿司職人の厳しい修行も、日本の寿司界への女性進出の妨げになっているように思う。例えば、高校卒業後の19歳で寿司店に入店した場合、8年の修行を経てようやく一人前となるのが27歳。女性の結婚適齢期まっただ中だ。結婚して子供ができれば、半年から1年の産休も必要である。これでは、例え厳しい修行を積んだとしても、公私ともに充実させることは困難である。
しかし、日本にも寿司職人として活躍する女性は存在する。日経ウーマンでは、静岡県で江戸時代から続く寿司店「穴子の魚竹寿し」の二代目、千葉由美さんを紹介している。また、東京エフエムでは、宮城県の松島唯一の女性寿司職人として、「松寿し」の赤間久恵さんを取材。千葉さんも赤間さんも、父親から寿司店を継いだ二代目であるが、厳しい修行を積んだ上で、寿司職人として活躍をしている。
一方で、以前のニュース東京すしアカデミーが、外国人も学べる築地校をオープンでも取り上げたように、現在は寿司職人専門学校が次々と誕生しており、約2年の通学と板場経験を経て、寿司職人となる道もできている。ここで寿司職人としての知識とスキルを習得し、海外で活躍する女性寿司職人も多い。東京すしアカデミーでは、卒業生の森田幸さんがフランスで寿司職人として活躍する姿をレポートしている。2020年に東京オリンピック開催が決まり、世界的な寿司ブームが起こっている今、日本だけでなく世界で女性寿司職人が活躍する姿が増えるに違いない。
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テキスト: FUJI-KIZAI(不二機材)