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日本の水産物輸出拡大のカギを握るアジア市場

日本食ブームは世界で拡大中だ。電通が2015年4月に世界20カ国4000人を対象に行った「ジャパンブランド調査 2015」によると、世界の人々が興味関心のある日本の物事トップ3は、1位日本食、2位日本への旅行、3位日本の温泉であった。また、日本でやりたいことの第1位が日本食を食べるであった国は、香港、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツの12カ国に上る。そして「日本食を食べる」と回答した人の食べたいものトップ5は、寿司、刺身、天ぷら、ラーメン、魚介類となり、水産物が大多数を占めている。世界で加速する日本食ブームを追い風に、日本政府は2020年までに農水産物の輸出額目標を1兆円と定めた。そのうち水産物は現状の倍の3500億円を担うことになる。日経Web刊では、その現状を次のように分析している。

 果実や水産物などの食品輸出が拡大している。今年の輸出額は過去最高の昨年より2割強増え、7千億円を超す勢いだ。少子高齢化による内需の縮小を踏まえれば、産業としての農漁業の成長には海外の需要をつかみ、輸出増に弾みをつける戦略がカギを握る。
世界的な日本食ブームに加え、政府や自治体による積極的な販促活動がアジア地域向けを中心にした輸出を後押ししている。1~7月でイチゴは前年同期の2.4倍に急増し、すしなどに使うホタテも5割増えた。
輸送各社も輸出業務に力を入れている。ヤマト運輸は全日本空輸や沖縄県と組み、全国の生鮮品を那覇経由で香港や台湾、シンガポールへ「クール宅急便」として配送する体制を整えた。輸出に力を入れる青森県や熊本県などとは連携協定を結んだ。こうした産地と企業の連携をもっと進めたい。

引用元 日経Web刊:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO92440330U5A001C1PE8000/

日本食材輸出の軸になるのは、成長著しいシンガポール

上記の日経新聞の記事でも取り上げているが、香港、台湾、シンガポール向けには、すでにクール宅急便の輸送手段が整備されている。このうち、農水産物の輸出額第1位の香港と、第3位の台湾は、すでに市場開拓が進んでいる。そして第9位のシンガポールは、市民の生活水準が高いことから、高級食材として日本食を売り込む新たなターゲットとして注目されている。JETROの調査によると、シンガポールの一般家庭では料理をせず外食傾向が強いこと、輸入ライセンスの取得が容易なため、レストランが独自に日本から食材を輸入するケースも多いことがその理由だ。小売店も伊勢丹と明治屋といった日系店だけではなく、ローカルのスーパーにも日本食コーナーが充実していると言う。さらに2014年には、楽天がシンガポールに進出しており、KURIYAが魚介類や生肉、野菜などを日本からの輸入により販売している。以上のことから日本の地方自治体が、シンガポールのレストラン事業者向けに農水産物を直接輸出するルートを開拓することで、シンガポールへの水産物輸出増大を期待したい。

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