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写真は福井経済新聞ホームページより
越前がにの福井県が、越前がれいをブランド化
これまで、島根県のブランド魚、どんちっちアジ誕生秘話:後編(7/19)などで、各地方都市が水産需要増加のカギとして力を入れる魚のブランド化を紹介して来た。そして今回、また新たにブランド魚を売り出した地方がある。福井経済新聞によると「越前がに」で知られる福井県の越前町漁業協同組合が、「越前がれい」のブランド化を進めていると言う。
越前町漁業協同組合(越前町小樟)が現在、同町で水揚げされる「越前がれい」のブランド化を進めている。試食会では、福井県漁業協同組合連合会の井村和人さんによる「神経抜き」の実演もあった。「越前がれい」は、赤褐色の体と大きい口が特徴のアカガレイの別称で、10月~2月が旬。水深約200~300メートル、水温5度以下の環境で生息することから鮮度維持が難しく、焼き物や煮物用として主に北陸地方で流通している。同組合では昨年春から新たな販路開拓を目指し、「地元でしか食べる習慣のない」刺し身用途の流通に着手。講師の指導の下、地元漁業者が「活け締め」「神経抜き」など鮮度管理の技術を習得した。同組合担当者は「刺し身にすると肉厚で甘みのある食感が際立ち、ヒラメ以上の味覚ともいわれる」と話す。
引用元 福井経済新聞:http://fukui.keizai.biz/headline/184/
美味しさを伝える努力が、新ブランド魚を生む
越前がには、福井県が長年ブランド魚として育ててきたズワイガニのことで、皇室に献上される唯一の蟹としても知られている。11月の解禁から3月までしか獲れない希少性もその魅力で、高級なものだと一匹2万円を超えると言う。この「越前」ブランドを活用して生まれたのが、越前がれいである。
福井県では昔から行事の度に焼きがれいを用意したり、正月には天神様に焼きがれいをお供えする「天神講」という風習もある。また、越前の日本海はプランクトンが豊富で、美味しい魚が育つことでも知られている。しかし水深300mで5度以下の冷たい海に生息するカレイは、水揚げしてからの鮮度管理が大変難しく、刺身などは地元でしか食べられない貴重な食材であった。ここに目をつけた漁業組合が「活き締め」と「神経抜き」といった鮮度管理技術を高め、煮付けや焼き物といった一般的な味わい方ではなく、越前がれいを刺身で味わう、その魅力を全国にアピールし始めているのだ。「美味しさを伝えたい」そんな思いが、新たな新ブランド魚を生み出したと言えるだろう。
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