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写真は日経電子版ホームページより
地方創生のキーワードは、地魚
日本の地方都市を旅するときの楽しみのうちの一つは、地元でとれた食材を味わうことである。大間のマグロや気仙沼の戻りガツオ、大分の城下ガレイや関サバなど、全国区の人気を誇る「ブランド魚」があるが、最近はその土地でしか味わえない「地魚」に注目が集まっていると言う。日経電子版の記事によると、この「地魚」が日本の漁業と食文化の救世主になり得るそうだ。
ここ4~5年前から、各地で地元の魚を「地魚」として売り出す取り組みが目立ち始めている。茨城県日立市の飲食業者十数店が2008年に「ひたち地魚倶楽部」を立ち上げ、地元のゲンゲやヒメジと呼ばれる地魚を使ったメニューを企画し売り物にしている。静岡県熱海市では漁師と市場、飲食店が協力し14年から「今日の地魚って何?」と記したのぼりを掲げるなどして、「熱海の地魚」をアピールする「魚祭り」を始めた。数カ月に1回程度開催し、地元客や観光客に向けた「イワシ詰め放題大会」や、地元の「メヒカリ」と呼ばれる深海魚などを、調理方法を説明しながら販売している。
引用元 日経電子版:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO90744610Q5A820C1000000/
外道魚と呼ばれても、実は美味しい地魚たち
日経電子版の中で紹介されている地魚には「ゴンズイ」「ゲンゲ」と言った、聞きなれない名前の魚も散見された。これらの魚は見た目も悪かったり毒を持つことから、釣り用語では「外道魚」つまり、目的外の魚と呼ばれることもある。百聞は一見に如かず、と言うことで、WEB魚図鑑でこれらの魚を調べてみた。以下はWEB魚図鑑より抜粋。
ゴンズイ
分布:本州中部以南。沿岸の岩礁域にすむ。
特徴:体側には2本の縦線があるが、不明瞭な場合もある。また不明瞭な横帯が出る場合もある。胸鰭と背鰭に大きな有毒の棘がある。
カンテンゲンゲ
分布:銚子~釧路沖、日本海中部~オホーツク海。水深205~900mにすむ。
特徴:ゲンゲの仲間で腹鰭を欠き、背鰭に棘を有しないグループに含まれる。ノロゲンゲによく似ているが、肛門上方の鱗は丸い。
出典:WEB魚図鑑
ゴンズイには毒針があるため一般には流通せず、漁師の家庭で食されることが多いが、蒲焼にすると絶品の味わいだと言う。ゲンゲは深海魚でグロテスクな見た目のため、なかなか市場に上がらないが、干物や唐揚げにすると美味しく食べられるそう。このような未利用魚たちが「地魚」として注目を集めているのだ。NPO法人秋田水生生物保全協会では「地魚・旬の魚検定試験」を実施して今年で5年目になり、毎年100名近くの受験者がいるそうだ。このように地方自治体では、その土地の地魚を全面に打ち出した戦略を始めている。この地魚こそ、地方再生のキーワードなのだ。
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