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伊豆の海底から日本酒3200本を水揚げ

伊豆半島に位置する三坂漁港は、荒天時に漁船が避難する「風待ち港」として知られ、おだやかな海原が特徴。古くから伊勢海老漁の荷受漁港として栄えていた。この三坂漁港で、魚介類以外のある物が引き上げられて話題となっている。伊豆経済新聞によると、漁港に引き上げられたのは、3000本以上ものお酒だと言う。

南伊豆町の三坂漁港で6月12日、海中熟成された日本酒の引き揚げが行われた。同試みは今年で3年目。昨年11月30日に、港から沖合300メートルの深海20メートル付近に日本酒を中心に9ゲージ約3200本の4合瓶を保存した。昨年の引き揚げ作業はマスコミなどを中心に多くの注目を集め、参加した酒蔵で販売された日本酒は高評価を得たという。参加蔵元の一つである白木恒助商店(岐阜市)の代表社員・白木滋里さんは「多くの問い合わせがあり、飲み比べセットは予想を上回るスピードで完売となった。寝かされた熟成酒は、後味にとろみがあり味わいが深いと評判だった」と話し、今年は昨年よりも多くの熟成酒を仕込んだという。
引用元 伊豆経済新聞: http://izu.keizai.biz/headline/256/

この海中熟成酒プロジェクトは、先日紹介したクラウドファンディングサイトmakuakeで、2013年に支援金を獲得して事業をスタート。今年で3回目の実施となる。主催者の上野伸弘氏は、トゥールダルジャンのバーテンダーを経て、日本酒業界に入った異色の経歴の持ち主。現在は、東京・品川に長期熟成日本酒バー「酒茶論(シュサロン)」を営んでおり、このバーは食べログで日本酒のお店TOP5000に入る人気を誇る。

海中熟成がもたらす、新たな味とは?

海底で寝かせることで、酒の熟成スピードが速くなると言われている。沖縄では、1年以上海中熟成した泡盛、海底酒 古酒 琉宮の邦が既に発売されており、2002年のおみやげアカデミー賞でグランプリを獲得する人気だそうだ。

この海中熟成酒プロジェクトでは慶應大学先端生命科学研究所が、熟成のメカニズムを調査している。海中で熟成中の日本酒を毎月取り出して、その成分を調査しデータ化しているのだ。その結果、生酒は海中熟成することで、甘味や酸味の成分が通常より速く増加し、アミノ酸が減少することなどが判明した。アミノ酸は、日本酒ではその含有量を「アミノ酸度」としてラベルに記載するほど、重要な要素。このアミノ酸度が少ないと、淡麗でクリアな味わいになるそうだ。また、生酒と火入れ酒では熟成の仕方が違うことも分かったと言う。

農林水産省が目指す、2020年までに農林水産物の輸出額1兆円の重点項目として、水産物と同様に掲げられている日本酒。海外で人気の寿司との最高のマッチングを武器に、これから日本酒は世界に進出していくだろう。

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