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消えゆく築地の1年を記録した映画「築地ワンダーランド」

今年11月に「場内」の通称で愛されてきた中央卸売市場が、築地から豊洲に移転する。世界最大と言われる築地市場が誕生したのは1935年のこと。その80年以上の歴史に幕を降ろすとあって、国内外から注目が集まる中、ドキュメンタリー映画「築地ワンダーランド」は制作された。この映画は築地市場に1年以上に渡ってカメラが入り、関係者以外は足を踏み入れることができない聖域を記録した貴重な作品である。今年10月の公開を前に、ゴールデンウィークの5月3日に「築地市場まつり」の一環として、一足早い公開記念トークショーが開催された。

東京都中央卸売市場築地市場に初めて1年以上に渡りカメラが入り映画撮影を敢行、一般の人は足を踏み入れることのできない築地の深部まで迫る映画『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』のトークショーに登壇したのは、遠藤尚太郎監督とイケメン料理研究家として知られる寺田真二郎氏、そしてめったに表舞台に立つことのない築地で働く仲卸の代表として神戸悠一氏。トークショーでは、映画の見どころや撮影中のエピソードなどが語られた。
映画監督の遠藤氏、築地市場に買い物に来る料理人である寺田氏、仲卸として働く神戸氏と、立場も三者三様。映画の見どころについて、寺田氏の「普段、買い物をしに来るだけでは見られない部分にもドラマがある」とコメントし、神戸氏は「僕らの笑顔なども撮ってもらって。築地の違う一面を見られるんじゃないかと思います」。これらの言葉を受けて、遠藤監督は「この映画では、築地に働いている1万何千人の人々の顔を観ていただきたい。本当にいい顔をしているんです」と言葉に力を込めた。

引用元 T-SITE LIFESTYLE:http://top.tsite.jp/news/table/i/28893421/?sc_int=tcore_news_lifestyle

映画の発起人は、築地に本社がある松竹の女性社員

 このドキュメンタリー映画は、READY FOR?と言うクラウドファンディングからスタートした。その発起人となったのが、築地市場から徒歩5分にある松竹で働く女性プロデューサーであった。彼女は料理好きが高じて、毎週のように築地に通ううちに、日本が誇る「魚食文化」や、築地市場で働く人々の情熱に魅了されたのだそうだ。でもなぜ、大手プロダクションの松竹が、クラウドファンディングによって映画を作ることになったのだろうか?
 発起人の手島麻依子プロデューサーは、クラウドファンディングで資金調達した理由を、①世界に出せるドキュメンタリー映画を制作するため、②参加型にすることで、築地市場からのムーブメントを起こすため、としている。予算が巨額な大作映画となると、複数の出資会社が納得する内容や監督、俳優を準備することが必要となり、監督やプロデューサーがやりたい事を実現できにくくなる事もあると言う。また、プロジェクトの企画段階から賛同者を募ることで、築地市場のファンを増やす狙いもあるそうだ。また出資者はエンドクレジットに名前が掲載されるほか、完成披露試写会やアフターパーティにも参加ができる。クラウドファンディングにより2014年9月に929万円という高額資金を手に入れ、映画「築地ワンダーランド」は約1年をかけて撮影された。そして築地市場移転の直前となる、今年10月15日(土)に全国で封切られる予定だ。

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