水の中で生活する魚には、人間にはない特異な能力があります。そのひとつとしてあげられるのが、絶対音感を持った魚が多いという事。人間も小さいころからピアノなどを習い、絶えず音に親しんできた人の中には、絶対音感を持った人もいるのですが、人類全体からいえばかなりの少数派です。ところが魚の世界では、わずかな音の違いに気づかなかったばかりに外敵に襲われたり、エサにありつけなかったりと生死にかかわる事態だけに、その音感は絶対なのです。今回はそんな魚の能力にまつわる豆知識を詳しく見ていきましょう。

よく海の中は、沈黙の世界だと紹介されますが、それは大きな間違いで、本当は実にさまざまな音に満ちています。お互いに音を出し合って仲間の確認や求愛をしたりすることで有名なのが、関西で“”グチ”と呼ぶ“シログチ”ですね。
そして、魚は外敵が出す音を関知して逃げたり、仲間や他の魚がエサを食べるときの音を素早く察知してその場所へ集まる習性もあります。
このような習性を利用して海洋放牧場の実験が始まっています。ある程度その地域に定着する魚を選び、稚魚を育てるとき、エサをやる時間に毎回同じ音楽を流し餌付けすると、しきりのない海へ放してもその音楽を流すとエサがもらえると思って集まってくるといいます。カツオの一本釣りで最初だけイワシのエサを撒いて、あとは散水だけで群を引き留めておく漁法も、イワシが群れ騒ぐ音を利用したものなんです。

海の中ではいくら透明度がよくても、見えるのはせいぜい40m止まりです。そのため魚は視覚に頼るより、聴覚や臭覚に頼る方が安全な為、その機能が発達したと言われています。

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