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スマホアプリで全国の漁港から魚を簡単調達!

スマートフォンの普及により、LINEやSNS、ゲームなどのスマートフォンアプリを毎日利用している人も多いだろう。2015年6月にアップルが開催した開発者向けイベントのWorldwide Developers Conferenceでは、アップルストアに登録されているアプリの数が150万本を突破し、ダウンロード数は1000億を超えたと発表された。150万種類のアプリの中には、漁業関連のものも登場している。DREAM GATEが紹介しているのは、漁業者と飲食店を直接つなぐマッチングアプリ、SAKAMAだ。

今回紹介する株式会社SAKAMAは2015年2月に設立されたばかりのベンチャーで、スマホアプリに特化して鮮魚流通業界に挑戦している。2015年8月19日より提供を開始した「仕入れアプリSAKAMA(さかま)」は、「漁業者」「産地漁業組合」と「小売店・飲食店」をダイレクトにつなぐ、マッチングアプリ。鮮魚流通のプロセスは、「漁業者」→「産地漁業組合」→「中央卸売市場」→「仲卸」→「小売店・飲食店」となっているが、八面六臂やフーディソンのサービスは中央卸市場以降のプロセスを軸足にしているのに対して、SAKAMAは産地の漁業者・組合を直接ユーザーとしている点が大きく違う。アプリの利用は無料。小売店・飲食店ユーザーと漁業者・組合ユーザーとのマッチングをベースにしたチャットツールをイメージしてもらえると良いだろう。八面六臂やフーディソンのサービスはどちらかというと業務システム的なイメージだが、SAKAMAはあくまでコミュニケーションツールとしての立場をとっている。
引用元 DREAM GATE:http://www.dreamgate.gr.jp/news/4012

従来の販売プロセスでは、漁業者→①産地漁業組合→②中央卸売市場→③仲卸→小売店・飲食店と、漁業者から飲食店まで3カ所を経ていたが、この魚発注アプリ、SAKAMAによって、飲食店は中間業社を飛ばして直接、漁業者から魚を買い付けることができるようになったのだ。中間業社がいなくなることでマージンが減り、魚を安く購入できることは当然である。このアプリのすごい所は、通常は水揚げから②中央卸売市場での販売まで3日かかっていた部分をカットしたことで、東京都心の飲食店でも、獲れたての新鮮な魚を仕入れることが可能になった点である。

テクノロジーが変えていく漁業スタイル

以前ここでロボット技術の進歩で、漁業の自動化が見えてきた(1/1)を取り上げた際は、漁業のロボット化や魚群探知機の進化など、漁獲に関わるテクノロジーについて紹介した。しかし今回のSAKAMAは、漁業でも水揚げ後の販売ルートの開拓を促すテクノロジーの開発である。つまり第一次産業である漁業者が、第三次産業の販売にまで領域を広げられるようになった、ということだ。漁業者にとって飲食店への直販ルートを確保するということは、安定した魚の供給先を確保できることにつながり、卸値が変動しやすい漁協や市場に卸すよりも安定した収入を得られるようになるのだ。現在、SAKAMAを利用する飲食店はまだ数十店舗ではあるが、2015年内に100店舗突破を課題にしている。そして2020年までには、日本国内の鮮魚市場=約3.8兆円の10%となる、3800億円の売り上げを目標にしている。その後は海外市場へも展開を構想しているそうだ。手のひらサイズのスマートフォンが、日本の漁業のあり方を根本から変えてしまう日が来るかも知れない。

関連記事:ロボット技術の進歩で、漁業の自動化が見えてきた(1/1)
テキスト: FUJI-KIZAI(不二機材)[/fusion_text]

FUJI-KIZAI(不二機材株式会社)は、1960年の創業以来、マグロ延縄漁の設置に必要なアルミスリーブ、圧着工具、スリーブかしめ機、テグス、釣り糸などの漁具をはじめ、プロ向け・個人向けの各種漁業資材を製造・販売しております。