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田舎文化を体験するグリーンツーリズムを、外国人観光客にアピール

近年、都市部の人々の間では、田舎に滞在してその土地ならではの郷土料理を味わったり、温泉などで体を癒すグリーンツーリズムの注目が高まっている。この「グリーンツーリズム」は、農林水産省が1992年に提唱したもので、その定義は「農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」とされている。

このグリーンツーリズムが最も発達した国の1つと言われるのが、フランスである。既に70年以上の歴史があり、多くの人に定着したレジャーとなっている。フランスの田舎町には、有名なワインのシャトーが数多くあり、そこに隣接するスパやレストランが人気だそうだ。また、田舎町に多く残る歴史的な建物を残すために、グリーンツーリズムの民泊施設に利用することもあると言う。フランス=パリという都会なイメージがあるが、国土の80%が農地である農業国フランスだからこそ、グリーンツーリズムが発達したと言えるだろう。

日本におけるグリーンツーリズムは、まだ始まったばかりであるが、マイナビニュースによると、この度、農林水産省が外国人観光客に向けて、積極的に日本のグリーンツーリズムを推し進めることが分かった。

農林水産省は27日、観光庁と連携し、訪日外国人旅行者の農林漁業体験民宿への滞在を促進するため、統一的なシンボルマーク「Japan.Farm Stay」を制定したと発表した。これにより、外国人旅行者の受け入れに意欲的な農林漁業体験民宿のブランド化を推進する。
同マークは、外国人旅行者の農山漁村での滞在が有意義なものとなるよう、これら地域における宿泊や農作業体験などの場として重要な役割を担う農林漁業体験民宿の提供を通じて、外国人旅行者の農山漁村への訪問・滞在を促進することを目的としている。
引用元 マイナビニュース: http://news.mynavi.jp/news/2015/05/28/330/

日本のどの土地で、グリーンツーリズムが人気なのか?

日本でも政府主導で既にグリーンツーリズムが進められていると言うが、どんな町や村でどんな体験ができるのか、情報はまだまだ少ない。農林水産省では2003年から毎年、オーライ!ニッポン大賞を選定して、グリーンツーリズムを盛り上げている。記念すべき第1回のグランプリ受賞地域は長野県飯田市で、昨年は沖縄県東村がグランプリを受賞している。

第1回グランプリを獲得した長野県飯田市は現在、グリーンツーリズム専門の旅行会社、南信州観光公社が、南信州の自然や文化に関する本物志向の体験プログラムを約180種類も展開し、年間約5万人もの観光客を誘致するまでに成長していた。農家ホームステイから、りんご狩り、草木染め体験、英語で自然散策など、多岐に渡ったプログラムを楽しめると言う。

昨年のグランプリ獲得は、沖縄県東村。沖縄ひがしそん観光ガイドによると、ここにはエコツーリズム、ブルーツーリズム、グリーンツーリズムの三大柱があるそうだ。エコツーリズムではマングローブカヌー体験などの自然体験、ブルー・ツーリズムでは漁師指導による海釣りのほか、魚の生態やおろし方を学び、魚汁を作ることができる。そしてグリーンツーリズムでは、1日農業体験や農家民泊が可能だ。農民や漁師、地元ガイドが提供する「ほんもの体験型観光」が評価されての受賞だそうだが、人口約1900人ほどの村で、年間約1億円を売り上げるビジネスにまで成長させたことも大きいだろう。

上記の地域の成功例を見ると、日本でもグリーンツーリズムは、これから更に盛り上がる可能性が高いだろう。それでもまだ、知る人ぞ知る世界であることも事実。そこに海外からの観光客を取り込むためには、シンボルマーク制定だけでなく、政府主導の大きなプロジェクトが必要ではないだろうか?

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